新しい世界をつなぐ架け橋。加藤桂衣さんインタビュー(前篇)
昨年から、バングラデシュのレザー製品を手掛け始めたかと思ったら、年明けには、ノーベル平和賞を受賞された、バングラデシュのモハマドユヌスさんとの、ワークショップを実現させてしまった?加藤 桂衣さん。
一年ぶりに集まった、仲間も、最近の、加藤 桂衣さんの脂のノリ具合に興味があるようなので、そんな仲間たちと一緒に、加藤 桂衣さんに、最近の状況について、インタビューしてみました。
最近の変化について
Ryu(以下R): 以前、ワークショップをやらせて頂いて(「幸運の女神の、前髪の掴み方」行動の先に見えてきた世界。)これまでの経緯は、だいぶ、分かっている感じなので、今回は、最近の状況の変化について、色々語っていただければと思います。
Kei(以下K): わかりました。去年から、今年の変化ですか?
R:そうだね、最近なんか、スイッチはいってるな~って感じがしていて
K:戦闘モードって感じかな?(笑)
R:戦闘モード(笑)って感じと言うよりは、何かにコミットした感じかな?主体性が凄く出てきた感じがしているので、そこに何かきっかけがあったのかな?って感じてるんで、その辺りをお話いただければと。
K:主体性…. ん~、意識を変えないと自分の達成したい事を達成できない。
その意識って言うのが、たぶん主体性なんだと思う。
R:その意識ってのは、やりたい事が、明確になった感じ?
K:そうではないかな?やっぱり、やりたい事を、自分で明確にするのは、難しいところが有って。自分が思ってる自分と、相手が思っている自分。今、コンサルさんとか、それこそ、メンターって言える人達に相談していて、その人たちから見える自分の立ち位置を聞いて、そこから必要な事。自分には苦手な、stepを明確にするという事を、手伝ってもらってる。
私は、そのstepを明確にするって事が、自分ではできなくて、それを人にお願いする事で、そのステップがクリアになってきている。
それが、主体性とか、意識の変化に、結びついてると思う。
R:そのステップの先って言うのは、感覚的にクリアなの?
K:ステップの先は、全然、変わらないっていうか、バングラデシュの環境を良くするための事業を作る、創り上げるって事で。
私の場合、右脳と、左脳って感覚で言うところの、右脳、感性の人だから、それを、こんな感じ?って感覚やイメージだけでやってると、凄く時間がかかる、無駄なエネルギーを費やしてしまっていた感覚?それを、分かる人、左脳的な人に、聞いて、教えてもらえると、凄く、楽 ^^
R:なるほどね(笑) 失礼な言い方かもしれないけど、昔のケイチャンは、ビジョン、方向性は見えてるんだけど、その道筋も、自分で駆けずり回りながら、試行錯誤しながら、決めていたのが、遂に(笑)人に、サポートしてもらう方法にたどり着いた?
K:そうだね、そうだね、そうだね(笑)
中野さん(某企業で、バングラデシュで学校運営中、以下Nさん):
いや、こんなにはっきり答えるケイちゃんは、信じられない!
けっこう、ずーっと迷ってませんでした???
(一同爆笑)
K:もしかしたら、これが決めるって事なのかも。多分人によっては、決めると、やり方がわかる人も居るし、決めると、やり方がわかる人が集まって来たり。それが、決めた効果なのかも知れない。
R:ほー、っていうと、やっぱり、実際のところは、何かを決めたのかな?今回?スタートは、どこだったんだろ?
K:決めたのは… 決めれた理由は…. 捨ててるからだと思う。
捨ててるって言うか、選択している???自分にとって、やるべき仕事、私が、この先、2年、3年かけてやる仕事は、どれなのかって言うのを、決めている、選択している?
決めたのは、日本の仕事、日本でしか成り立たない仕事はもう受けないって決めていて、バングラの仕事か、バングラと日本をつなぐ仕事以外は受けないって事を決めている。
それは、去年の3月にカンボジアに行ったときに、感じた事でもあって、私は、カンボジアじゃないな、バングラだなった感じて。
日本の仕事も、9月に完了して、そこから、私は、もう、バングラの仕事しかしないって決めて、基本、バングラにかかわらない仕事は、もうやらないって、心に決めて。
R:なるほどね~、前は、なんか、いろんな仕事、日本の仕事とか、地域活性の仕事とか、幅広くやっていた感じが、日本とバングラをつなぐとか、バングラを軸にした、活性化に、フォーカスした。そこを決めたって感じですね。
K:そうですね、そうですね、そうです!(笑)
R:それが、明確になってきたから、やる事とか、お願いする事が見えてきた、協力してくれる人が、集まってきた、みたいな。
それって、もしかすると、ケイチャンが色々、迷ってたら、アドバイスしたい人たちも、なにを伝えていいか、迷ってしまうけど、ケイチャンが決めてるから、伝える側も、明確に伝えやすくなった。
そんな事も、あるかもしれないよね。
K:うん、そうだね!そうかもしれない。
なんでバングラデシュなのか???
(バングラデシュの様子:加藤さんinstagramより。)
R:ちなみに、先ほど、カンボジアは違う、バングラデシュだって話がありましたけど、その辺の気持ちとか、感覚の違いって、どんな感じなの?
K:感覚しかないよね?(笑) なんか違う?って(笑)
私が居る所じゃないな~って。
いいんだよね、カンボジアのが、楽で(笑)
N:うん、楽、楽(笑)
R:ですよね、カンボジアのが、楽なんですよね?じゃあ、なんでカンボジアじゃないんですか?バングラなんですか???
サリーさん(私と同じく、バングラデシュには行ったことの無い、バングラ会メンバー(笑)詳細はこちら。以下S)
:楽の方が良いって言う人も、世の中には、居るしね~^^
K:私の行くとこじゃないから?(笑)
N:かっこい~な~
K:初めは、凄く、理性的だったの。自分が世の中で取ってくポジションとしては、みんな、けいちゃんってやっぱり、バングラだよねって、ソーシャルビジネスだよねって、ユヌスさんだよねって言ってくれて。
そのポジションって、少ないって言うか、鋭利な武器って言うか。
言い方合ってるかわからないけれど、研ぎ澄まされたものが、バングラであって。
最初は、ロジック的な、論理的な意味で、バングラってのもあった。
R:理性的、論理的なとこ以外になんかあります?
K:ん~、カンボジアには、私的には、感動がなかった。
バングラに始めて行ったとき、感動しなかった???
凄い!っていうか、興奮っていうか(笑) 凄いこの国!みたいな。
N:僕は、やってけるんかな?って不安しかなかった(笑)
こんなクラクション鳴らされる国で、やってけるのかなって(笑)
K:私は、興奮だった、エキサイティングだった(笑)
R:それって大事かもね。子供たちも一緒だけど、おもしろそうとか、楽しそうとか、気持ちが動くって大事かもしれないね。
K:そうかもしれないね。
その感動は、カンボジアにはなかった。
バングラデシュの人たち
R:折角なので(バングラで働く人が二人もいるので)バングラの人たちと、日本人の違いとか、聞いてみても良いですか?
K:その日を生きてるよね^^ その日暮らしって意味もあるし、その日を生きる事で、精一杯みたいな。
前も話したことあるけど、バングラの人たちに、良く聞かれるのは
「日本人は、なんで自分で自分を殺すんだ?自殺するんだ?」
「僕たちは、明日生きるための事を考えて生きてる」って。
R:それって実際の環境っていうか、どんな考えがベースにあるのかな?
N:目の前の事が、良いって思ってる???長い目で絶対に見ないから、目の前の事が優先になる。仕事のやり方もそうなるし。
今が楽しいって事が重要。
K:そうだね、今楽しいって事が重要って感じてるね….
R:その辺の感覚を、日本人的な感覚と、どうやって、コネクト、アジャスト、融合してる感じなの?
K:仕事では、それはそれで、良いって思っていて、別に彼らの生き方が悪いわけではなくて、それはそれで有だって思ってて。
けど、やっぱり、こちらの状況、日本のお客さんに対して、時間を守るとか、責任を取らないと、お金を貰う訳にはいかないから、工場をONタイムで動かしていく、必要はあって。
けど、それに対して、怒る必要もなくて。
どうなの?どうなの?どうなの?って単純に聞いていく事であったり
こっちが、一歩先にアクションしていたら、向こうも、もう一歩早くアクション出来ていたりとか。
そこを、自分自身が、深く知っていく事?
例えば、スタッフたちが、今日は、一個作れて、明日も一個作れる。
けれど、スタッフが一人減ると、明日は、0.8個しか作れない状況において、スタッフが一人かけてても、3日で3個作れるって、言い張る。
日本人的、感覚だと、休みが出る、スタッフが減ると、生産量落ちるなってことを、計算したりするけど、向こうの人たちは、そういった事を気にしない。
適当に答えるっていう。特に、悪気もなく。自然な感じで。
R:その結果、出来なくても、失敗したな~とかそういうのないの?
K:ないないない。まったくない(笑)
N:できなかったら、できなかったって言うだけです(笑)
K:悪いって言えば、未だよい方で、悪いとも、ごめんとも言わない(笑)
それは、それで、そういった人たちなんだって認識したうえで、自分が、何をするかが、重要になって来る。
けど、本当に必要な場面、どうしても重要な場面で、ちゃんと言うって自分も必要であって。
マネージャーとか、そういう人たちには、必要だと思うからしっかり伝える。工場の人たちには、そこまで言わないけど。
R:それは、分かるね、俺も、外資で、海外と一緒に仕事してたから。
けど、それってとても大切な事で、実は、日本の、近くの人、廻りの人にも必要な事ではあって。それが、分かって当たり前みたいに思ってると、感情的になるけど、ある意味いい環境だね、分からなくて、当たり前みたいな(笑)
分からなくて当たり前って前提の中で、分かりあう為、日本人的感覚と、バングラ的間隔を融合するために、居るのかもね。
K:けど、受け入れられなくなる時も、あって、その時は、マジで切れる(笑)
R:切れるんだ(笑) 切れると、相手のリアクションはどんな感じなの?
K:ごめんごめんって(笑)
言うけど、反省はしない(笑)
彼らに対して、私達が、反省を強いるというのは、間違っていて、彼らは、彼らの環境の中で生きてるから。
R:俺たち、切腹のカルチャーで生きてるけど、彼らに、切腹って概念ないもんね。
K:ないない(笑)
何に惹かれているのか?
R:その辺はどうなの?好きなの?その辺のコミュニケーションが?
K:嫌だよ(笑)ストレスは有るよ。
けど、ベースには、いつも。信頼があって。
けど、この人とは、もうやってられん!って感じる人には、怒りが出てくる。
だから、相手を自分がどれだけ、信頼しているか、この人とやろうって決めてるかが、凄く、大切だって感じる。
R:その辺なんですよね、なんだろ?もうやめちゃっても良いわけじゃないですか?もう、めんどくさい、帰る!みたいな。
諦めてもおかしくないような、状況の中で続けてる思いってなんかあるのかなって?
K:退路を断ってるからかな?そこは一個あるよね。
それから、やっぱり、人への責任?お客さんの為にとか、工場の為にだったり。
そして、他にやることないから(爆笑)
裏を返すと、やりたい事なんだけどね。それしか、やりたい事が無い。
R:ごめんね、ここで「それでも、バングラが好きなんです!」みたいな答えが返ってくるのかなって、期待してた自分が居たんだけど(笑)
K:あ~~~あ(笑)、いや、結局好きなんだよ(笑)。うん、好き好き。好き好き(笑)
でも、本当、やることないんだよ! それって結構、重要な事って思ってて。
私の友達で、クッキー屋さんが居るんだけど、彼女は、会社でも働けるし、他の道も選べるんだけど、クッキーを選んだんだよ。
私には、そういったモノはないんだけど、ユヌスさんが好きで、バングラに行って。大変な事も、いっぱいあったけど、日本に帰ってきたなかで、結局、私が、今までやってきた事の中で、何が好きだったかって言うと、これは無い、これは無いって消去法で行ったとき、残ったものが、それだった。
なんとなく、あれじゃない、これじゃないって向き合って言った中で、残ったのが、今やってる事だった。
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以上、前半、加藤さんの変化と、バングラに対する思いや、バングラの人たち
コミュニケーションで大切なことなど、お話伺いました。
後半は、「才能について」「感情の折り合い」「次の一歩に踏み出す方法」
などを伺ってますので、お楽しみに^^
加藤桂衣さん プロフィール
加藤桂衣 プロフィール
人事系コンサルティング会社で営業を3年務めた後、ワークショップや研修の企画などを事業にし、独立。2010年以降、ムハマド・ユヌス教授の来日毎に講演会などの企画・ディレクションを3年続けて行う。ユヌス教授の世界観やソーシャルビジネスをより間近で学ぶために、2012年にバングラデシュのユヌスセンター(ユヌス教授・ソーシャルビジネスのプロモーションオフィス)にインターンとして参画。ユヌスセンターでは、サイトの翻訳や年に一度のカンファレンスにてユヌス教授のアシスタントなどを任された。ユヌスセンターで1年の任期を終えた後、グラミン・テレコム・トラストでも1ヶ月の経験を経てインターンを終了した。
その後、日本の地方のソーシャルビジネスにも興味を持ち、新潟県三条市と静岡県伊豆半島とバングラデシュ・ダッカ の3拠点をメインにそれぞれの事業のリサーチ・企画・実行まで行うプロジェクトコーディネートを行う。現在は、日本-バングラデシュ間のコーディネーションをメインの事業とさせて頂いています。
夢は校長先生になること。
(オフィシャルサイトより抜粋、オフィシャルサイトはこちら)
PROFILE
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外資系の社長を卒業して(廃校になったとも言う)独立。
プロデューサーという役割を軸に、コンサルとか、コーチング、カウンセリングをしながら、イベントを企画したり、セミナーを主催したり、面白い人のプロデュースをしている。
基本、めんどくさい事が苦手なのですが、めんどくさい事を防ぐためには、細かい事に全力でこだわる。そんな自分が、一番、めんどくさかったり......